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この記事のみを表示する【東京】隅田川花火大会【第40回】

ちょっとご近所

(=゚ω゚)ノぃょぅ

腰痛慣れ親しんだ焼き鳥おうじでゴザイマス


人生は線香花火。待つときは、じっくり待つ。
無理しすぎて、ポトっと落ちてしまえば、もう終わり。


隅田川の花火大会。
うちの近所が、1年のうちで一番賑やかになる日。
浴衣を着た、ビッチたちであふれんばかりのうちの前。
道路なんて、勝手に封鎖ですよ。
みなさん、どこから持ってくるのか、
ビールジョッキ片手に、道路の真ん中に勝手に敷いた、
ブルーシートで花火を鑑賞するわけです。
迷惑千万。ゴミくらい片付けておけと言いたい。



美加(仮名)から電話が来た。
この情報化社会真っただ中の現代に、
メールでもLINEでもなく、一本の電話。
「何の用だろう」と、いぶかしがる。

ねぇ、どうせ今日暇してるんでしょ?
私、花火観たいな。


いつも暇ってわけじゃないよ。

でも、今日は暇でしょ?
何しろ、私が誘ってるくらいなんだから。


どこをどう切り取っても、暇なのは美加でボクではない。
いや、ボクだって暇といえば暇なわけだけれども、
とにかく、この腰をはじめとした体調不良をなんとかせねばならない。

でさあ、どこで待ち合わせ?
私、新しい浴衣買ったんだ。


いやいや、ボクは外に出られないんだ。
腰を痛めちゃって。
今年はテレビで観覧することにしたよ。


外は雨模様だし、湿度も高くて、
外出するのは、とても面倒だ。
それに、今日は奮発して、
活あさりたっぷりのボンゴレビアンコと、
フライパンでつくる、およそローストなんてしていない、
なんちゃってローストビーフ、
それにテーブルワインを用意してある。
そして、テレビでは、花火が今にも打ちあがらんとしているのを、
女性アナウンサーが声高に知らせている。

IMG_5580_20170729_02_隅田川花火大会

いや、やっぱりやめとくよ。
食事の用意もしちゃったし、
とてもじゃないけど、人込みをよろよろ歩く気にもなれない。
彼氏と行けばいいじゃないか。
だいたい、今日はそういう日だろ?


彼氏がいれば、そっちを誘うわよ。

彼氏がいない?
そんなはずがない。
美加はここらでは有名な美人だ。
おまけに気立てもいい。
お父さんのやっている薬局を手伝っている立派な薬剤師さんだ。
おかげで、薬局はいつも若い患者さんであふれかえっている。


食事って何作ったの?

カップ麺だよ。

そんなことだろうと思った。
そんなの捨てちゃえばいいじゃない?
私とカップ麺とどちらをとるの?


ちょっと豪華なカップ麺なんだ。
捨てるには惜しいな。


まさかとは思うが、献立を口にした途端、
家まで上がり込んでくるんじゃないかと思った。

じゃあ、いいわ。
また、後で。


ああ、誘ってくれてありがとう。
素敵な花火大会を。



なんで、美加は連絡なんてしてきたんだろう。
彼氏と喧嘩でもしたんだろうか?
それとも…

そんなはずはない。
確かに美加を好きだったことはある。
でも、彼女は町で1、2を争う才色兼備。
それにくらべて、ボクは毎日カップ麺で生き延びているだけの、
どうにもうだつの上がらないブサメンだ。

ボクは無駄な考えを頭から取り出した。
考えたってしかたないし、
美加子を好きだったのは遥か昔のことだ。
さあて、ちょっと豪華なカップ麺とやらで、
ことしの花火大会に乾杯でもするとしよう。


ピンポーン♪

いったい、こんな時間に誰だろう?
痛めた腰に手をやりながら、
なんとか玄関までたどり着いた。
狭い家なのに、今日に限ってやけにドアが遠い。

一人じゃ寂しいとおもって、来てあげたわよ。

ドアの外には美加が立っていた。
霧雨の中、傘もささずに来たらしい。

別に大丈夫だよ。
それより、傘貸してやろうか。
夏だとはいえ、濡れたら風邪をひく。


やだあ、何これ。
とてもおしゃれなカップ麺ね。
心配して損した。
頭に来たから、私が食べてあげるわ。


彼女は勝手に部屋に上がり込み、
ボクが食べようとしていたスパゲッティを口に運んでいた。

おいおい、ボクの大切なカップ麺になんてことするんだ。
だいたい、それはボクの食事で…


男はね、けち臭いこと言わないの。
いやあ、ローストビーフ。
どこで買ってきたの?
あらやだ、美味しいじゃない?
一緒に食べよ。


痛い腰にムチ打ちながら、
自分で作ったんだよ。
頼むから、大口開けて頬張るのやめてくれないか?
それはボクの晩御飯で…


いくら言っても聞かない美加との会話にうんざりしたので、
ボクはあきらめてベランダで花火を見ることにした。

IMG_5591t_20170729_02_隅田川花火大会

花火ってキレイね。
ほんの一瞬だけキレイな花咲かせて
あっという間に散ってしまう。
まるで私たち人間みたい。


前は目の前に花火が見れたんだけど、
まわりにどんどんマンションが建っちゃってね。


土地柄、町工場がたくさんあったからか、
みな、それなりの広さの敷地を持っていて、
廃業を機に、マンションを建てる人が多いみたいだった。
家の周りはマンションだらけになり、
スカイツリーの完成が、そのスピードをさらに加速させた。

IMG_5586t_20170729_02_隅田川花火大会


みんなが爆弾なんかつくらないで、
きれいな花火ばかりつくっていたら、
きっと戦争なんて起きないのにね。


たぶんそうなんだろうと思う。
美加の顔が花火に照らされて、
なんとも言えない美しさを醸し出している。
まいったな。

IMG_5585t_20170729_02_隅田川花火大会



思うんだけどね、
時として、男は、花火を見るのをあきらめて、
花火を見ている人の顔を観察しなきゃならないことってあると思うんだ。
実は、ボク、美加のこと…


そこまで言って、ボクはとんでもないことを口にしようとしていたと自重した。
何しろ、相手は町一番のべっぴんで、気立てもよくて、
薬局を大繁盛させている看板娘なんだと。

ごめんなさい。
実はさっき、旦那と喧嘩しちゃったの。
そしたら、急にあなたのことを思い出して。
自分勝手だってよく分かってはいたの。
でも、気がついたら押しかけていたわ。


結婚していたのか?
知らなかった。

どこかに、赤いカップ麺を見かけると、
気が付いた時にはレジで精算しちゃってるっていう男がいてね。
なんか、それと似てるね。


その人、面白い人ね。
知り合いなの?
今度紹介してくれない。
その瞬間を見てみたいし、
私、そういう人好きだなあ。


いや、知らない。
どこかのバカ野郎だよ。きっと。




そのあと、二人がどうなったのか分からない。
だって、そこで目が覚めちゃったからね。
子どもたちはそれぞれ、友だちと花火を見に行っちゃったので、
ちょっと奮発して、ボンゴレビアンコとなんちゃってローストビーフを作ったのはホント。
腰が痛くて、禁酒中なんだけど、少しくらいのワインなら許されるかなと思ったのはホント。
疲れたのか、久々のお酒が効いたのか、
花火をほとんど見ることもなく、
いつの間にか寝てしまい、
嫁に"いつまで寝てんのよ💢"と起こされ、
これからっていうところで目覚めちゃったのもホント。
美加(仮名)っていうきれいな女性が薬局を継いだのは風の噂。
小学生のとき以来、会っていないからね。

人生は線香花火。待つときは、じっくり待つ。
無理しすぎて、ポトっと落ちてしまえば、もう終わり。


ボンゴレビアンコとなんちゃってローストビーフ。
ちょっと切ない味がしました。
近年、稀にみる出来栄えだったのになあ。












"最後までお読みいただき、ありがとうございました。"




















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